野地板は華やかな外見とは異なり、普段からほとんど見る事のない部分になります。
そのため、野地板の事を知らない方も多いでしょう。
しかし野地板は、家建造の際に必要不可欠となる重要な部分です。
そこで、屋根の下地に使用される野地板についての種類、メリット、デメリットを説明します。
野地板とは
野地板は、屋根材や防水紙の基礎になる重要な木下地材でここが腐食、劣化すると屋根材が剥がれたり、雨漏りの原因にも発展します。
そのため屋根のメンテナンスやリフォームを行う際、屋根の性能を維持するために必ず考慮しなければいけない部分になります。
一般的に使用される野地板には、杉板、構造用合板、耐火野地合板の3つがあります。
杉材のメリットとデメリット
杉板は杉を板状にしたもので、幅約90~120mmのサイズとした下地材です。
サイズがバラバラであるためバラ板とも呼ばれ、昔の住宅の主流であった粘土瓦や瓦棒屋根などに使われていました。
杉は木材の中でも乾燥しやすい特性があり、間隔を設ける事で湿気を貯まりにくくし、腐食を防止する事ができるするメリットの反面、防水シートが劣化した際に雨漏りしてしまうというデメリットを持ち合わせます。
構造用合板のメリットとデメリット
構造用合板は一般住宅に多く使用されており、野地板と言えば構造用合板の事を指していると言っても過言ではありません。
別名で野地合板とも呼ばれ、野地板の材質に合板が使われている板の事を言います。
サイズや厚みは様々な種類がありますが、一枚一枚が整っているため、野地板間の隙間がほとんど無くなる事で雨漏りのリスクも少なく、施工がしやすいというメリットがあります。
また耐震性、耐風性があり、厚みが増す合板ほど耐久性が上がります。
ただ厚みが少ないと強度が低下し、厚みがあると屋根の重量が増えて耐震性に影響が出るというデメリットがあり、価格も比較的高い傾向にあります。
耐火野地合板のメリットとデメリット
耐火野地合板はその名の通り火に強く、火災で約30分以上耐えられる材質の野地板としており、一般的に木毛セメント板と木片セメント板がよく使用され、中には耐火性能に特化した製品も存在します。
建築基準法では、準防火地域、防火地域内でこの耐火野地合板の使用が義務付けられているほど重要な物になります。
耐火野地合板は耐火性能に優れ、断熱性、遮音性が高いメリットがありますが、高機能な材質となるほど高価になるというデメリットがあります。
まとめ
野地板は、建物にとって土台となる非常に重要な部分になります。
野地板の耐用年数の目安は20~30年と言われていますが、この部分が劣化すると非常にまずいです。
そのため定期的な点検を実施し、耐用年数を延ばすようにしたいところです。
特に台風や地震などが多い地域は大きな被害となる可能性が高いので、早めに点検をしましょう。