一般住宅を構成している部位にはそれぞれ建築用語が存在します。
住宅は高価ですので、万が一にも間違いがないようにそれぞれ細かく名称が付けられているのです。
その方が施工をする大工さんにも分かりやすいですし、パーツを製造する業者にも伝わりやすいからですが、それ以上にそれぞれの部位には住宅にとって重要な役割が存在します。
そこで、住宅の部位の中でも比較的知られている軒天について解説していきます。
軒天とは?
軒天は別名を軒天井とも言い、屋根が外壁部分から外側に飛び出た場所を下から見上げたところを指しています。
屋根の軒先と呼ばれる部分の裏側というか下側のことです。
ベランダなどの裏側も軒天と呼ばれ、簡潔に言えば下段から上段を見上げた際に屋根状に突き出ている部分です。
ビルのように直角の建造物でない限り、基本的にはどんな住宅にも軒天は存在しますが、近年はメンテナンスも掛かる都合上、わざと軒天を作らないような住宅も増えているようです。
軒天の役割
屋根が付いている住宅には基本的に軒天が存在しますが、このおかげで雨が直接住宅内に吹き込んだり、外壁を伝うことを防いでいます。
外壁は常に外気に触れ、暑い日差しや雨風にさらされます。
しかし、軒天があることで外壁に日光や雨が触れるのを防ぐことができ、経年劣化などを抑えているのです。
また、もし住宅で火災が発生した際には、窓から出た炎が屋根に回るのを抑える役割もあります。
軒天がなければ、窓から出た炎はたちまち屋根裏まで燃え広がり、消防車が到着する前に焼け落ちてしまうかもしれません。
そういった危険を防ぐことも重要ですし、穴が空けられている軒天は屋根裏の湿気を取り除くこともできるのです。
軒天のメンテナンス
軒天に使われる素材にはいくつか種類があり、その素材によってメンテナンスなどは変わります。
基本的なメンテナンスはやはり塗装です。
一般的に外壁塗装を行う際に、軒天も一緒に行うことが多いでしょう。
あまり劣化をするような場所ではないようにも見えますが、意外と傷んでいることもあります。
そのため定期的に塗装を施すなど、メンテナンスをすることで軒天の状態を保ち、美観もアップするでしょう。
大きな破損があるときは、軒天の交換をした方がいいので専門の業者と相談をしてください。
まとめ
軒天は屋根の突き出た部分を下から見上げた部位のことを指しています。
あまり気にして見ていない方も多いですが、雨風や直射日光から外壁を守るなど非常に重要な役割があります。
傷みに気付きにくいかもしれませんが、定期的にメンテナンスを施しておきたい場所ですので、外壁塗装の際に一緒に塗装をするといいでしょう。